現代医療の限界に気づいたとき、病気の原因を考えた:土橋重隆WEBサイト ガンを治すには 心は体の設計図 現代医療の限界に気づいたとき、病気の原因を考えた

私自身、以前は西洋医学こそもっとも進んだ医療であると考えていました。患者さんを診察し、治療することに何の疑問も持っていませんでした。

 大学卒業後、外科医としてのキャリアを歩み始めた私は、東京女子医科大学消化器病センター外科に内地留学して内視鏡手術を、その後、自治医科大学で腹腔鏡手術を学びました。「食道静脈瘤内視鏡的栓塞療法」という、当時では最先端の治療を西日本で最初に手がけたのは私です。
 こんなことを自分で言うのはおこがましいのですが、技術的にもかなり高度なレベルに達していたと思います。

 当時、こうした最新の手術を行っている病院は少なく、私のところに症例が集まってきて、内視鏡手術では2000例以上、腹腔鏡手術でも800例近く手がけました。外科医として「病気を治している」という実感と喜びを感じ、先端医療を行っているという自負もありました。

 ところが、内視鏡や腹腔鏡の手術、あるいは開腹手術を数多く積み重ねるにつれ、私は次第にこうした医療に疑問を感じるようになってきたのです。もちろん、内視鏡手術も腹腔鏡手術も素晴らしいもので、多くの患者さんに最新医療を提供することができたと思っています。

 しかし、これまで述べてきたように、外科的な手術をして治せる患者さんは、ほんのごく一部です。
 しかも、急性疾患は別にして慢性疾患は増えるばかり。ガンにしても、いまだにその原因ははっきりせず、有効な治療法も確立されていません

 現代医療はいったい何をやっているのか。本当に、病気治療に対して有効な取り組みをしているのか。そして、医者たちはこの現状をどう考えているのだろう――私の頭の中に次々と疑問が湧き上がってきました。

 なかでも私が愕然とした事実は、これだけ多彩な治療を行っていながら、現代の西洋医学で完全に治すことのできない病気がいかに多いかということです。
 一度疑問を持つと、納得できる答えを見つけ出さなければ気が済まないのが私の性分です。西洋医学も最先端医療もすぐれたものがあることは十分に理解していましたが、その限界を感じながら医療の現場に立つことにも疑問を感じるようになりました。

 私はある病院の副院長という責任ある立場になっていましたが、そういう立場にある人間が迷いを抱きながら後輩たちの指導にあたるのも考えものです。
 そこで私は思いきって副院長の職を辞し、一介の勤務医に戻ることにしました。
そして、「人はなぜ病気になるのか」という大テーマに取り組もうと考えました

 病気の原因を明らかにすることができれば、病気を治す治療も、また病気にならないための予防も可能になるのではないか。そうすれば、病気が患者さんの人生にもたらす残酷な側面を少しでも減らすことができる――そう思ったのです。


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