病院ができるのは「修繕」と「管理」:土橋重隆WEBサイト ガンを治すには 心は体の設計図
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 糖尿病や高血圧には薬が処方されるではないか。あれは治療ではないのかと思う方もいるかもしれません。
 しかし、薬を飲んでも慢性疾患が根治されるわけではありません。あくまでも、症状の改善と進行の阻止をするだけです。薬を飲んだからと言って、完全に治癒するわけではないのです
 わかりやすい表現を使えば、西洋医学が行っているのは「修繕」と「管理」です
 
 急性疾患に対しては修繕を行い、慢性疾患には病状を管理する。実際、私たち医者は慢性疾患に「慢性疾患管理」という言葉を使います。「治療」ではなく「管理」です。
 つまり、慢性疾患に対しては、完治させることはできず、病状を管理することしかできないということです。

 ここに西洋医学の限界があります。病気の大半を占める慢性疾患に対して、有効な治療手段を持っていない。完全に治すことはできない。だからこそ、私は「医者は病気を治すことはできない」と言っているのです。
 病態を管理するための薬にしても、多くの方は誤った認識を抱いているようです。薬を飲んでいれば治る、あるいは病状が改善されると思っているかもしれませんが、実際のところ、必ずしもそうとは言えません。薬を飲んでもたいして表面的な効果しかないことが多いのです。

 そのことは、医者自身がいちばんよくわかっています。だから、軽症であれば毎日のように薬を飲んでいる医者はまずいません。ちょっとした症状の緩和のために飲むことはありますが、患者さんに出すように「朝・昼・晩、毎食後」に薬を飲んだりはしないのです。
 医者に限らず、看護師や薬剤師もほとんど薬を飲みません。薬が病気を治すわけではないことをよく知っているからです。

    薬は時間稼ぎの道具?

 では、なぜ病院で診察を受けると、何錠もの薬の処方箋が出るのか。
 以前の院内処方というやり方では、薬を出すほど、病院の利益になったのです。しかし、今はほとんど院外処方なので、患者さんには処方箋料しか請求できません。だから、たくさんの薬を出すのは院内処方の名残のようなもので、西洋医学的治療の特徴とも言えます。

 慢性疾患以外での投薬は、少し意味が違います。
 たとえば、風邪の症状があり、熱が上がって診察を受けたとすると「安静にしていれば、そのうちに下がりますよ」では患者さんは納得しません。解熱剤や抗生物質などの薬が欲しいのです。
 それは、薬を飲むことで、治療を受けていると実感できるからでしょう。しかし、風邪の場合では、解熱剤や鎮痛剤、咳止めなどの薬は、「病気を治す」ということに関してほとんど直接的な効果がありません。「症状の緩和」にはなりますが、場合によっては治癒を遅らせることもあるのです。

 風邪の薬として処方される薬は、ほとんどは時間稼ぎの道具。どうにか忙しい仕事の間だけ症状を抑えようというものです。それより、できるだけ早く仕事を切り上げ、ゆっくり静養するというのが本当の治療なのです

 また、血液の流れが悪い、高血圧の傾向があるといった軽症の慢性疾患の場合、直ちに治すことは困難ですが、魚由来の成分の薬を長期間服用し、血管を広げていく方法があります。自然な、体に負担のかからない方法でゆっくり直す道はあるのです――ちなみに、そういう薬を出す会社は、静かに確実に利益を上げています――。

 しかし、患者に求められれば、医者は「早く、良く効く」薬を出さざるをえないのが現状です。出さなければ、「あの医者はきちんと治療を行っていない」というクレームがつき、トラブルにもなりかねないのです。

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